TMD装置「KOMET」(TMDの設計、適用システム「KOMADAS」)
TMD基本設計プログラム
このプログラムは、風洞試験の結果から制振装置に必要な性能の検討を簡便に行い、TMDの構成要素である重錘、バネ、ダンパーの基本設計を行うものです。
TMD(KOMET)の設置
風による塔構造物の振動を抑制することを目的として、TMD(Tuned Mass Damper)を開発いたしました。このTMDの特徴として、以下のものがあります。
- 駆動部にキャスターを用い始動抵抗が小さい。
- バネ定数、減衰定数の調整が簡単に行える。
- 全体がコンパクト。
- サーボモータと接続して起振機にもなる。
TMD装置詳細
主塔用TMD
橋梁主塔面外振動の制振を目的としたTMD
主な特徴
- 駆動部にキャスターを用い始動抵抗が小さい。
- バネ定数、減衰定数の調整が簡単に行える。
- 全体がコンパクト。
- サーボモータと接続して起振機にもなる。
橋桁用TMD
橋桁鉛直振動の制振を目的としたTMD
主な特徴
- バネ、ダンパーを専用の仕様で製作することで、装置重量およびコストを抑えている。
- バネ定数、減衰定数の調整が簡単に行える。
- 重錘を直接コイルバネで支持しているため、始動抵抗が小さい。
TMDの減衰器として使用しているオイルダンパーの特徴
- 可変オリフィスのバルブ開度を調整することで、減衰係数が調整可能。
- 可変オリフィスは、方向性があるので、2つの可変オリフィスをお互いが反対方向になるように設置することでその問題を解消している。
- アキュムレータ内に封入した圧搾空気により、配管内に約1MPaの圧力を加えており
- 配管内のオイル漏れを最小限に抑え、かつ、本体シリンダー部分からオイルが漏れたときには、この圧力により余分に充填しているオイルが本体部分に補充される。
TMDによる制振効果(主塔用TMD)
TMDの制振効果が発揮されているか確認するために、主塔用TMDで試験を行った結果を示します。上の図は、TMDに設置されたモータを駆動させて、主塔を強制加振した後のTMD非作動時の時系列データを示しています(主塔本体の構造減衰)。
下の図は、同様に主塔を加振して、TMDを作動させたときの時系列データを示しています。図を比較すると、TMDが作動することにより主塔に減衰力が付加され、振動振幅が急速に減少している様子がわかります。