APSアンカーケーブル

特 徴

APSアンカーケーブルは、PC鋼より線の定着方法として圧着グリップを用いることにより、種々な施工条件に対して、最適なサイトで、容易に組立が出来るようにプレファブ化を図った、高い疲労強度を有する構造用のケーブルです。

斜張橋やニールセン橋などのケーブルを使用した橋梁には、従来下記の2種類のケーブルが用いられています。
(1) 工場プレファブケーブル(平行線ケーブル)
(2) 現場組立ケーブル(PC鋼より線ケーブル)

これらのケーブルには、それぞれ以下の利点があります。
(1) 工場プレファブケーブルは、一括架設が可能で足場が不要となります。
(2) 現場組立ケーブルは、専用の工場設備が不要となり、輸送費が削減されます。

APSアンカーケーブルは、上記2種類のケーブル工法の利点を損なわずに、施工性・輸送を含めた経済性の向上を図ることを目的として開発しました。すなわち、PC鋼より線の切断からソケット付けまでの一連の組み立て作業が工場でも現場サイトでも容易に行えるシステムで、様々な施工条件に対応した最も経済的なケーブルを提供することができます。

ケーブルの保護管としては、HDPE(高密度ポリエチレン管)、またはアルミニウムカバーを用います。アルミニウムカバーのケーブルへの取り付けは、ケーブル架設後でも足場を使用せずに、現場で容易に行うことが出来ます。

PC鋼より線の特徴を生かしたAPSアンカーは、現場集束型ケーブルと工場集束型ケーブルとして採用され、以下のような特徴と実績を重ねて参りました。

APSアンカーケーブルの特徴と実績
保護管 防食 実績
材料 着色
現場集束型 アルミニウム アルマイト ポリエチレン被覆
+アルミカバー
圓山水管橋、重陽大橋、神崎川橋梁、貢寮橋
HDPE管(圧 接) フッ素塗装 ポリエチレン被覆
+HDPE管
猫羅渓橋、立霧渓橋
亜鉛メッキ
+HDPE管
朝来A橋
工場集束型 HDPE管
(工場押出)
(SPSC)
2重押し出し 亜鉛メッキ
+HDPE管
日見橋、集鹿大橋

(SPSC):セミ パラレル ストランド ケーブル

1.PC鋼より線と圧着グリップ

設計長に切断されたPC鋼より線の両端に、無応力の状態で圧着グリップを取り付け、現場で定着部に挿入してソケット付けします。

圧着グリップの定着構造

亜鉛メッキPC鋼より線の性能
PC鋼より
線呼び名
材質 標準径
mm
引張荷重
kN(kgf)
伸び
%
リラクセー
ション値
%
公称断面積
mm2
単位質量
kg/m
亜鉛メッキPC鋼より線 JIS G3536 相当品
7本より
15.2mm
SWPR7BL
相当
15.6 261
(26,600)
以上
3.5以上 2.5以下 138.7 1.173

APSアンカーケーブルの定着部は、圧着グリップの挿入孔と定着板が一体の構造で、ケーブルの両端をがっちりと固定します(特許第3123644号)。ソケット部には、APSコンパウンドを充填してPC鋼より線との一体化を図り、耐疲労性を向上させます。

アンカーの構造

2.ケーブルの構成

(1) 現場集束型ケーブル アルミニウム保護管(タイプ1)

(2) 現場集束型ケーブル HDPE保護管(タイプ2)

(3) 工場集束型ケーブル 押し出しHDPE保護管(タイプ3)
セミパラレル ストランド ケーブル (SPSC)

3.プレファブ化(工場集束型)

  • (1)ケーブルドラム搬入

  • (2)製作架台

  • (3)端部切断

  • (4)グリップ圧着

  • (5)樹脂注入

  • (6)完成

  • (7)製品輸送

  • (8)展開

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