熊本208号 新玉名大橋[A1~P3]上部工工事

国土交通省九州地方整備局から受注した「熊本208号 新玉名大橋[A1~P3]上部工工事」について、
その工事概要を紹介します。

工事概要

現在建設中の玉名バイパスは、玉名市の市街地および周辺地域の交通混雑の緩和と交通安全の確保を目的とした延長約8.5kmの道路です。
この玉名バイパスの建設によって、地域間の交流の活性化ならびに地域経済の活性化が期待されています。
新玉名大橋は、この玉名バイパスのうち菊池川上に架かる全長767mの5連で構成される橋梁で、本工事では左岸側の3径間連続鋼床版箱桁橋(橋長256.5m、最大支間長115.5m)の製作・輸送・架設工事(下り線のみ)の施工を行っています。


施工位置図


全景 (H17.1.28 現在)


上部工断面図

本橋の特徴

本橋は、最大支間長が115.5mと長支間であることから鋼床版箱桁が採用され、鋼床版の現場継手は溶接構造としています。
また、近年の鋼床版における疲労損傷などに配慮して、疲労照査を実施するとともに、Uリブのスカーラップ形状変更等、疲労耐久性に優れる構造詳細にするなど、品質の向上に努めました。
また、本橋に使用する鋼材は、塗替塗装に掛かる維持費縮減を目的として耐候性鋼材を採用し、安定錆形成を助けるため「錆安定化処理」を施工して、錆汁による周辺の汚損が少なくなるように配慮しました。


構造一般図

仮桟橋を併用した桁架設方法と鋼床版溶接

本橋は、県道と農道ならびに菊池川と木葉川と交差することに加えて、工程の関係から木葉川上の架設は出水期に行う必要がありました。
このため、大規模な仮桟橋を構築し、この上に200t吊りクローラクレーンを設置して架設作業を行いました。
また鋼床版の溶接では、中央径間の支間長が115.5mと長大であり、現場溶接によるたわみの変化量が600mmを越えました。
このため、鋼床版の溶接工程に合わせてその都度桁を降下させました。


仮桟橋計画図

開かれた建設現場を目指して

本工事では、建設現場における安全な職場環境を得るために「快適職場推進計画」を立案し、熊本労働局長から認定されました。
さらに、開かれた建設現場を目指して現場独自のホームページ開設や、見学会の開催などを実施しました。
また、現場内に高性能のネットワークカメラを設置し、進行中の建設現場をホームページで公開することで、一般の方々に橋梁の架設現場をリアルタイムで見て頂きました。
このネットワークカメラやホームページは、発注者による種々の検査や休業期間中の保安管理、現場従事者の家族や友人などへの現場紹介など他目的に活用しました。

※ 本工事は、駒井・川鉄JVで受注しています。