鋼・コンクリート合成床版パイプスラブ
パイプスラブの概要
パイプスラブは、リブとパイプ(構造用鋼管)とで構成された鋼板パネルがコンクリートと一体化する、リブ型の鋼・コンクリート合成床版です。長支間に対応でき、大きな耐荷力と高い耐久性を有しています。
ずれ止め構造
リブ長孔にパイプを貫通させた構造がコンクリートとのずれ止めとして機能します。
このパイプを用いたずれ止めを鋼管ジベルと称しています。
一般的なずれ止め構造として頭付きスタッドや孔あき鋼板ジベル(PBL)が用いられています。
これらのずれ止めに対し、鋼管ジベルは相対ずれが大きくなった場合においても耐荷力があります。
- 軽量化された構造
- パイプ内部は空洞であるためコンクリート重量を軽減できます。
- パイプ内部の二次利用
- パイプ内部の空間は、ライフラインや通信設備などの二次利用が可能です。
- パイプの材料特性
- パイプは引張強度700N/mm2相当の高強度材を用いており、軽量化された構造です。
また、パイプの防錆は溶融亜鉛めっき処理を施しています。 - パネルの継手【Keyジョイント 特許番号:4106317】
- パイプスラブは、パネルの継手に高力ボルト継手およびkeyジョイントを採用しています。
Keyジョイントはパネル上面からの作業だけで施工が可能です。
性能確認試験
輪荷重走行試験
独立行政法人土木研究所にて、走行回数52万回、最大荷重392kNの輪荷重走行試験を実施しましたが、疲労による破壊現象は発生しませんでした。
ずれ止め試験
静的および疲労押し抜き試験を実施し、鋼管ジベルが高い耐荷力およびじん性を有していることを確認しました。
合成桁の負曲げ試験
連続合成桁に適した場合の、中間支点部(負曲げ部)の性能を確認しました。
コンクリート充填試験
実物試験体によるコンクリート充填試験を実施し、施工性の確認をしました。
リブ長孔部など狭隘部の充填性はすべて良好であり、品質が確保されていることを確認しましました。
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コンクリート打込み状況
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コンクリート打込み完了
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コンクリート切断面(リブ切断面)
リブ溶接疲労試験
底鋼板とリブに着目した溶接疲労試験を実施し、高い疲労耐久性を有していることを確認しました。
【橋軸方向】
【橋軸直角方向】
施工フロー
- 鋼板パネルの制作
- 鋼板パネルの架設
- 配筋
- コンクリート打込み
- コンクリート養生
- 完成
施工実績
【総施工面積:402,026㎡(駒井ハルテック施工分:248,987㎡)】(2023年7月現在)
構造認定
一般社団法人 日本橋梁建設協会 標準合成床版(鋼コンクリート合成床版 設計・施工の手引き,2021年1月)
国土交通省 新技術情報提供システム NETIS登録:KK-040071-V 認定(掲載期間終了)